この記事では、みかんの基礎知識から、よりおいしく楽しむための情報を紹介します。
目次
みかんの基礎知識
みかんとオレンジって何が違うの?
みかんとオレンジは、どちらもミカン科ミカン属で、インドが発祥の地です。同じルーツを持つ果物ですが、世界各地へ広まる過程で、ヨーロッパ方面へと伝わり品種改良されていったものがオレンジとなり、中国方面へと広がり品種改良されていったものがみかんになったと考えられています。
長い年月をかけて異なる環境で進化した結果、現在ではそれぞれ異なる特徴を持つようになりました。
日本の冬の定番!温州みかんの特徴
日本の冬に欠かせないみかんの代表格は、温州(うんしゅう)みかんです。その名前の通り、中国の温州という地域を経由して日本に伝わりました。
温州みかんの特徴は、小ぶりなサイズと、手で簡単に剥ける柔らかい外皮です。また、内側の薄皮も柔らかいため、そのまま手軽に食べられるのが魅力です。味わいは、あっさりとしていて、ほどよい酸味があります。
濃厚な甘さ!オレンジの特徴
オレンジはヨーロッパを経由して日本に伝わりました。
温州みかんと比べると大きく、皮が厚く硬いため、手で剥くことはできず、包丁でカットして食べるのが一般的です。オレンジの皮が厚くなった理由は、ヨーロッパは乾燥した地域が多いため、実の水分が奪われるのを防ぐ役割を果たしてきたと考えられています。
味は香りが強く、濃厚で甘いのが特徴です。
みかんでアレルギーは起こる?オレンジアレルギーとの関係
近年、果物や野菜を食べた際に口の中に違和感を感じる「口腔アレルギー症候群」が増えていると言われています。これは、花粉のアレルゲンと生の果物や野菜のタンパク質の構造が似ているために、花粉に対するIgE抗体が誤って反応してしまうことが原因の一つと考えられています。
花粉症と果物アレルギーの意外な繋がり
花粉症を持つ人は、特定の果物や野菜を食べるとアレルギー症状が現れることがあります。例えば、イネ花粉症の人は、メロン、スイカ、オレンジ、玉ねぎ、じゃがいもなどに注意が必要です。
みかんでアレルギーは起こりにくい?
一般的に、みかんはアレルギーが起こりにくいと言われています。しかし、みかんの仲間のオレンジは、アレルギーを起こしやすい食品として特定原材料に準ずるもの20品目に含まれています。
オレンジアレルギーの症状と対象範囲
オレンジによるアレルギーは、イネ科の花粉症を持つ人が起こしやすい傾向があります。主な症状としては、口の中のかゆみなどの違和感や喉のイガイガが挙げられますが、まれに蕁麻疹や呼吸困難、腹痛などが起こることもあります。
日本標準商品分類によると、オレンジ類は柑橘類のひとつのグループとして分類され、ネーブルオレンジやバレンシアオレンジなどが対象となります。現行のアレルギー表示では、温州みかん、夏みかん、はっさく、グレープフルーツ、レモンはオレンジアレルギーの対象外となっています。
オレンジアレルギーでもみかんは食べられる?
現行のアレルギー表示上、みかんはオレンジアレルギーの対象ではないため、ルール上は食べられるということになります。しかし、オレンジアレルギーを持つ人の中には、みかんを食べた際に口の中に違和感を感じたというケースも報告されています。
オレンジとみかんは近い種類の果物であるため、オレンジアレルギーがある人は、注意深く様子を見ることをおすすめします。また、果物アレルギーは生の果物で起こりやすい傾向があり、加熱すると症状が出にくい場合もあります。花粉症の症状が出ている時期は、果物アレルギーの症状も出やすい傾向があるため注意が必要です。
ハズレみかんは選ばない!美味しいみかんの選び方
みかんを買うなら甘くて美味しいものを選びたいですよね。スーパーに並んでいるみかんは見た目が似ていても、味には違いがあります。ハズレみかんを選ばないためにおいしいみかんを見分けるためのポイントを紹介します。
甘さのピークはいつ?旬の時期を知る
みかんが最も甘くおいしくなるのは、旬を迎える時期です。最近はハウス栽培が増えたため長期間店頭に並びますが一般的にみかんの旬は冬です。
- ハウスみかん (5〜9月): 酸味が少なく、甘みが強い傾向があります。
- 極早生 (9〜10月): 酸味が強く、さっぱりとした味わいです。
- 早生 (10〜11月): 酸味と甘みのバランスが良いのが特徴です。
- 中生 (11〜12月): 甘みが強く、酸味が少ない傾向があります。
- 晩生 (1〜3月): 味が濃く、酸味もある昔ながらの味わいです。
甘いみかんを選びたいなら、中生や晩生の時期に購入するのがおすすめです。
皮のキメをチェック!細かさが美味しさのサイン
みかんの皮の表面には、小さなブツブツとした油胞があります。この油胞が細かく均一に整っているほど、細胞分裂が十分に行われ、しっかりと熟した甘いみかんである可能性が高いです。
濃いオレンジ色を見逃すな!完熟の証
みかんは熟すにつれて、皮や果肉のオレンジ色が濃くなります。これは、カロテノイドという色素が生成されるためです。色が濃いほど完熟しており、甘みが強い傾向があります。
軸の太さに注目!味が濃いのはどっち?
みかんの軸(ヘタ)が細いものは、木になっている間に水分があまり送られなかったため、味が凝縮されて甘みが強くなる傾向があります。反対に軸が太いものは水分が多く、味が薄くなりやすい傾向があります。
形も重要!甘みを感じやすいみかんの形
みかんを横から見たときに、丸よりもわずかに楕円形をしている方が甘いとされています。また、成長の過程で雨が少なく水分が少ない状態で育ったみかんは上から見たときまんまるではなく、ボコボコと歪んでいることがあります。味が凝縮され甘みが強い傾向があります。
傷は気にしない?味への影響
みかんの皮に傷があることがありますが、傷自体は味には直接関係ありません。ただし、収穫直前や収穫後に付いた傷は腐敗の原因になることがあるので注意が必要です。生育中に付いた傷跡は、品質には問題ありません。むしろ、傷があるだけで安く購入できてお得になる場合もあります。
美味しさを最大限に!みかんの食べ方
みかんのおいしさは、甘さと酸味のバランスで決まります。ただ甘いだけでなく、適度な酸味があることで風味が引き立ちます。酸っぱいみかんに当たってしまった時のための裏ワザを紹介します。
- みかんの甘み成分:ショ糖の特徴: みかんの主な甘み成分はショ糖です。果糖を多く含む果物のように、冷やしても甘みは増しません。
- 追熟で酸味を和らげる: 風通しの良い場所に1週間程度置くと、みかんが呼吸する過程で酸味が少しずつ抜けて甘くなることがあります。
- 刺激を与える:みかんを優しく揉むことで細胞が傷つき、修復過程でクエン酸が消費されるため、甘く感じることがあります。揉んだ後2〜3日置いてから食べると良いでしょう。ただし、強く揉みすぎると傷む原因になります。
- 温める:40度程度のお湯に10分ほど浸したり、電子レンジで軽く温めたりすると、クエン酸を分解する酵素が働き、酸味が和らぎます。
鮮度をキープ!みかんの保存方法と保存期間
みかんはできるだけ長く美味しく保存したいですよね。適切な保存方法と期間を紹介します。
長持ちさせるための基本
- 保存に最適な温度とは?: みかんは5〜10度の涼しい場所での保存が適しています。高温多湿は避けましょう。
- 傷んだみかんをチェック: 箱買いした場合などは、傷んだみかんがないか確認し、取り除くことが重要です。
- ヘタを下にして保存: ヘタを下にして保存することで、重みによる圧迫を軽減し、傷みにくくなります。
保存方法別の期間と注意点
- 常温保存のコツと期間: 風通しの良い場所で、重ならないように保存し、1〜2週間を目安に食べきりましょう。
- 冷蔵保存でさらに長持ちさせる: 気温が高い時期は、乾燥を防ぐために新聞紙などで包み、野菜室で2〜3週間程度保存できます。
- 冷凍保存: 水洗いして水気を拭き取れば冷凍保存も可能です。シャーベットのような食感で楽しめますが、風味は若干落ちます。保存期間は約4週間です。
傷んだみかんのサインを見逃さない
みかんが傷むと、「カビ」「皮がブヨブヨする」「異臭」「苦味がある」「変色」など変化が現れます。これらのサインが見られた場合は、食べないようにしましょう。
みかんをおいしく食べよう
みかんは、そのルーツや品種によって個性を持つ魅力的な果物です。おいしいみかんを選び、正しく保存してみかんを堪能してくださいね。

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